入居者の高齢化




近年多い不動産管理のお悩みとしてよく上がってくるのが、

空室率の上昇、入居期間の短縮化、家賃の下降、ローン金利上昇、敷金・礼金の無料化、建物の老朽化、入居者の高齢化などかなと思います。

人口の高齢化はよく聞くキーワードですが、不動産管理においてもその影響を受けています。

今回は入居者の高齢化について書いてみたいと思います。

 

1.入居者の高齢化状況

全世帯に占める65歳以上の夫婦や一人暮らしの割合が、約25%2013年)から約32%(2022年)に10年間で約1.3倍に増えています。



集合住宅にも同じような現象がみられており、

70歳以上の世帯主が13%2008年)から22%2018年)に10年間で1.7倍増えています。また、65歳以上の平均居住期間を2016年と2019年で比較すると、6年以上が全国平均58.2%から70.8%に増加しました。(第17回、第23回日管協短観)その増加傾向は、内訳を見てみると関西圏が最も強いと言えます。



集合住宅を終の棲家として入居期間が長くなる傾向の中で、入居者の高齢化がより強まっていると言えます。

その傾向が今後も続くとどんな課題が出てくるのでしょうか。

 

2. 入居者の高齢化に伴う課題

【課題①:管理組合の高齢化】

住宅着工戸数は1973年の1,905,112戸をピークに徐々に数を減らしながらも2009年にがくんと10万戸を切るまで高い値で推移していました。

これからは、そのピーク以降に建てられた住宅が築50年を超えていきます。きちんとメンテナンスしていれば100年以上住めるといわれますが、入居者も高齢化が進み管理組合のなり手が減っていて維持管理が困難になっていきます。

 

 

【課題②:賃料未回収の発生、ごみ屋敷化】

高齢者の独居や高齢者の夫婦の世帯が増加傾向にあり、2025年には5人に1人が認知症になると言われています。公益財団法人日本系フィット共育機構によると、認知症とは、「記憶障害のほかに、失語、失行、失認、実行機能の障害が1つ以上加わり、その結果、社会生活あるいは職業上に明らかに支障をきたし、かつての能力レべルの明らかな低下が見られる状態」(公益財団法人日本系フィット共育機構と定義されています。

つまり、家賃の支払いが難しくなったり、ごみを出すタイミングが分からなくなったり、周辺住民とトラブルが起きるようになったり、、、という問題が起こる可能性がでてきます。

 

 


このようなトラブル発生の可能性を抱える高齢者の入居に対して、集合住宅のオーナー様は、高齢者入居の様々な課題が生じる可能性がある中で、高齢者入居をどう感じているのでしょうか。

 

 

人口が多い首都圏では必然的に高齢者も多いのためか、首都圏では、高齢者入居に対して拒否感を感じるオーナー様が他エリアと比べて少なく、約15%のようです。一方で、関西圏は約90%のオーナー様が、弱まって入るものの拒否感を感じているようです。

この結果通りに、高齢者の入居が厳しい世の中になってしまったら、私たちも高齢者になったら好きな場所で暮らすために引っ越せなくなってしまいます。終の棲家を決める年齢がどんどん若年化していってしまいます。

そんな世の中は窮屈だなと思いますので、超高齢化社会において、オーナーと入居者の歩み寄り方を考えてみたいと思います。

 

3.入居者高齢化への対策

入居者の高齢化が進んでも、入居者全体やオーナー様が気持ちよく過ごすためには、どんな対策があるのでしょうか?

 

代表的な対策は大きく分けて2つあります。

 

【対策①:連帯保証人と信頼関係を築く】

入居者の認知症が進行してからでは、契約内容の見直し等が難しくなりますので、

入居者の方とのコミュニケーションを取って、健康状態や生活状況の変化にいち早く気づくことが大事です。しかし、認知症が進行してから気づいた場合は、普段から連帯保証人に情報共有をしておくことで、トラブルが発生した時や契約内容の見直しのときに、相談や対応がスムーズにできると思います。それも難しい場合は、法定後見人制度を利用するのも手だと思います。

 

【対策②:見守りサービスを利用する】

見守りサービスは様々な形があります。人による訪問型の見月額守りサービスから、居室にセンサーを設置するもの、ライフラインのメーターを検知するものなど機械的に見守るサービスなどで、利用料が数百円~数千円のものなどです。



当社が物件管理をする場合は、契約をご親族の方にしていただいたり、近くにご親族が住んでいること等を条件に、仲介させていただいています。

オーナー様や入居者ご本人・その家族が安心できるような仕組みをつくって広く入居者を受け入れられるようになると、心地よい世の中になっていきますし、オーナー様の経営の安定性も増すかと思います。

 

4.まとめ

近年、入居者の高齢化・入居期間の長期化が進んでいます。

 

【入居者高齢化に伴う課題】

  • 管理組合の運営ができなくなる
  • 家賃の未回収のおそれ
  • ごみ屋敷化のおそれ
  • 近隣住民とのトラブルのおそれ

 

【入居者高齢化への対策】

  • 連帯保証人と信頼関係を構築
  • 見守りサービスを利用する

 

いろんな課題に対する不安を取り除いて、広く入居者を受け入れられるようになれば嬉しく、私たちもお手伝いできればと思います。

 

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