SNS時代、それでも路面店をお勧めします



近年、飲食・美容業界では「これからはSNSの時代。立地が悪くてもインスタでバズればお客は来る。だから家賃の安い空中階(2階以上)や路地裏が賢い選択だ」と言われてきました。

しかし、当社に出店のご相談に来られるお客様のほとんどは、変わらず路面店(地上階)を求めて来られます。私たちも完全同意で、路面店をお勧めします。いろんな理由で空中階を臨まれるお客様もいらっしゃいますが、なるべく2階をお勧めします。

それは、「最もコストパフォーマンスの高い広告は、物理的な立地である」と考えるからです。

なぜそういう結論に至るかをお伝えしていきます。



1.「見えない家賃」としてのポータルサイト手数料

私自身、飲食店や美容サロンを探したり予約する際にポータルサイトを使っています。とっても使っています。こんな私が言うのは憚られますが、このポータルサイトの手数料が経営を圧迫するという話、よく耳にします。


  • 月額掲載料の固定化:検索結果の上位に表示されるためには、大阪市内のように競合が多いエリアほど高額なプラン(月額10万~40万円以上を契約し続けなければなりません。
  • 従量課金の負担:一人予約が入るごとに発生する数百円・数%の手数料。客単価の低いランチや美容サロンの短時間メニューでは、この手数料が利益の大部分を削り取ります。


空中階で家賃を仮に5万円、10万円に抑えたとしても、ポータルサイトに毎月10万円、20万円払っているのであれば、実質的な場所代は想定よりも高くなってしまいます。
私はポータルサイト自体が悪というのではなく、依存するのが良くないのではと考えています。

例えば、出店したばがりで集客の手がかりが少ないときは、ポータルサイトに頼る方が、店舗の前を通る人以上に飲食店を求めている人と出会うチャンスがあります。一定数お客様が入るようになったら、ポータルサイトのプランを下げたり、絞ったりするのも手だと思います。ポータルサイトは新規顧客獲得のためにのみ活用して、リピーターの予約手数料をカットするのも作戦だと思います。


例として、同じ建物で空中階と路面の違いのイメージを数字で表してみます。戦略の取り方で、このような状況が起きるかもしれません。


① 空中階・ネット集客型

(例:3階・看板制限あり)

② 路面・視認性重視型

(例:1階・全面ガラス張り)

月額家賃20 万円35 万円
ポータルサイト広告費

25 万円

(上位プラン+オプション)

5 万円

(最低限の維持プラン)

予約手数料(従量制)

4 万円

(月200名×200円)

1 万円

(看板・自社予約が主)

合計49 万円41 万円


2.SNS発信にかかる「終わりのないサンクコスト」

ポータルサイトの負担が大きいからSNS発信に力を入れるオーナー様も多いと思います。

私自身、SNSをきっかけにお店に行くことがあるので、またまた矛盾したことを言いますが、たくさんの情報が流れる中で目に留まるような発信をし続けるのも大きな固定費になります。

例えば、インスタグラムのアルゴリズムは、より「動画(リール)」や「親密度」を重視するようになり、初心者の投稿が拡散されるハードルは劇的に上がりました。また、SNSを発信し続けるには時間・労力がかかり、ご自身の時間を投資することになります。結果として、多くの店舗が「運用代行」を活用されています。インスタの運用代行の相場は、企業なら月額20~30万円、個人なら5~10万円と言われています。

これらの費用を払い続けなければ認知が保てない立地だと、前章と同様の考え方で、追加で家賃を払っているのと同じことになります。何よりこの投稿を辞めたらお客様に認知されないかもしれないという不安自体が、コストをかけ続ける要因になっていると思います。




3.路面店は「最強の自走式広告」

一方、路面店(1階)はどうでしょうか。家賃は、空中階の1.5倍するかもしれませんが、24時間365日、勝手に宣伝してくれる看板効果があります。


 ■視認性の信頼感 

「あそこにお店がある」という物理的な認知は、どの広告よりも強力な興味と信頼を生みます。

私の話になりますが、街を歩いているときに、「このお店、雰囲気すてきだな」と思って突然入ってみたり、「今は時間ないけど、今度入ってみよう」と地図アプリにピンを立てたりします。実際に自分の目で見ているので、その情報精度は高いと感じています。


 ■自然な口コミの発生 

路面店は外観が目に入るため、購入後の人や通りすがりの人がスマホで写真を撮り、勝手にタグ付けしてSNSに投稿してくれる確率がぐんと上がります


 ■資産性の違い 

広告は販売管理費に分類され、かつ、発した瞬間に消える「経費」という性質が強いです。一方、良い立地の家賃は、費目としては広告と同じように販売管理費に分類されるものの、認知・価値が積みあがっていく「投資」という性質が強いと解釈できます。


4.自分で「映える店」を作るための物件・内装選びのコツ

路面店を選んだうえで、さらに広告費を削るためには、店自体を「勝手にお客様が宣伝したくなる装置」にする必要があります。


 ■「ファサード(建物の正面、顔となる外観)」がお客様との最大の接点 

気になるけどまだ入ったことのないお店の前に立った時、

「何のお店?」「私に合う?」「高くない?」「失敗しない?」…

などの不安がぐるぐる頭をめぐります。

つまり、お客様はお店の前に立った時に、外観のデザインだけを見てるのではなく安心や期待値を探っています。

その透明性が高いほど扉を開けて店内に入る人が増えます。


 ■内装はスマホのレンズ越しに設計する 

どの席に座ってスマホを向けても、背景に店の個性が映り込むように壁面をデザインしたり、フォトスポットを設置して写真を撮りたくなる仕掛けを作りましょう。

また、フォトスポットで撮影する時や自席で料理を撮ったったときにスマホの影や自分の影が入り込んでしまったり、自撮りした時に顔に強い影ができてしまっては、写真や動画で伝わる魅力が半減します。写真や動画を撮るであろう場所で、影が邪魔しないように照明計画を立てましょう。


5.まとめ

ネット集客に注力して空中階を借りるのか、物理的な場所が持つ集客パワーに投資して路面店を借りるのか。物理的な場所がもつ集客パワーを知るには、私たち不動産屋に相談してみてください。そのうえでどれぐらい家賃+広告費がかかりそうかをシミュレーションして、戦略を立ててみましょう。固定費として毎月発生する費用ですので、経営に大きく影響します。

みなさんのお店がお客様に愛されながら続くよう願っています!



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