入居率を上げたい!選ばれる賃貸住宅へ②




近年多い不動産管理のお悩みとしてよく上がってくるのが、

空室率の上昇、入居期間の短縮化、家賃の下降、ローン金利上昇、敷金・礼金の無料化、建物の老朽化、入居者の高齢化などかなと思います。

前回のコラムは、「入居率を上げたい!選ばれる賃貸住宅へ」としてバイカー向け賃貸についてご紹介しました。今回はその2弾です。

 

1.近年のペットブームの傾向

ペットブームはこれまでに何度か起こっています。近年のブームは第4次ブームと言えるのではと思います。コロナ禍においてテレワークが普及し、家でペットが飼える状況になったことがきっかけで、新たにペットを飼う人が増えたというものです。そのブームも落ち着きを見せ、ペット飼育頭数は頭打ちになっています。



ペットブームが繰り返される裏側では、ペット繁殖業者が個体に無理をさせて量産したり、飼育能力や責任感が低い人が飼ってすぐに捨てるという問題も同時に発生し、殺処分される犬・猫が後を絶ちませんでした。

コロナ禍で起こったブームでも同様のことが起こってしまいましたが、同時に保護活動が活発になり、殺処分される予定だった捨て犬・猫が飼育意識の高い人の元へ渡るようになってきたことが、これまでのブームとの違いかなと思います。

つまりは、飼育頭数が頭打ちではありますが、内訳としては、家族のように大事にされて暮らしているペットの割合が増えていると言えるのでは…と、思います。


そんな中で、ペット飼育可の賃貸住宅は、ある住宅情報サイトの掲載物件をみてみると20244月時点で全国で約19%大阪市内で約29%と限られています。その上、飼育可とされていたとしても飼育条件や共有設備が様々です。

リモートワークの普及によって居住地の選択肢が広がり、未婚率上昇し、自分だけの意志で選べる選択肢が広がって住替える傾向がより強まると考えらる中で、選ばれる賃貸になるために、本当にペットと暮らしたいと思っている人が安心して住める仕様をめざしてみてはいかがでしょうか。

 

 

2. ペット可賃貸の懸念事項と対策

ペット可賃貸にするにあたり、不安点がたくさんかあるかと思います。その代表的なものをいくつかご紹介します。


 ①飼育によるダメージ 

 かじったり爪を研いだりと壁・床・柱の傷がついたり、排泄物等のにおいが染みついたりして、クリーニング費用が通常よりも多くかかる恐れがあります。

【対策】

原状回復費用を確保するために敷金を増額したり、飼育頭数に応じて家賃を増額したり、または、退去時の消臭・消毒費用を定めるなど、契約時に入居希望者と取り決めをすることをお勧めします。

 

 ②入居者間トラブル 

多頭飼いしたり、入居中に出産して増えたりすると、その分、鳴き声やにおいによる他の入居者とのトラブルになる可能性が高くなります。

【対策】

飼育できる動物は何か、体長何センチまで・何匹までをOKにするか、しつけ状況の報告や写真を求めるかなど、集合住宅全体でのルールを定める必要があります。

また、それらについて、既存の入居者および新規の入居者から同意書を得るようにしましょう。

居室への防音対策を施しておくのも大事です。

 

 

 ③退去時ハウスクリーニング・修繕費用 

入居者がどれだけ気を付けてくださっても、においや傷は防ぎきれないものです。そのためハウスクリーニング代や修繕費用が高額になりがちです。

【対策】

・初期費用の増額

  退去時の修繕費に充てるため、敷金を通常の2倍にする、家賃1か月分をプラスするなど敷金を増額するというものです。家賃1か月分プラスが相場のようです。

・家賃

  ペットを飼育する場合は月3,000円、月5,000円を家賃に追加するなど、家賃を増加して修繕積立に回すというものです。

・ハウスクリーニングがしやすい工夫をする。消臭タイプの壁紙・腰壁シート、張り替えしやすいリフォーム用床材を使うなど

 

3.共用設備の充実

 ペット飼育不可のマンションでは考えもしなかった共用設備でも、ペット飼育可だとあると便利・あると入居者同士が気持ちよく住めるというものをいくつかご紹介します。

  ①足洗い場 

犬などの散歩から帰ってきた時、足を洗ってから居室に上がれるように設ける洗い場です。それがない場合は、部屋に戻って、お風呂場に直行して洗うことになるため、専用の洗い場が外にあるのは重宝されます。


  ②汚物専用ごみ収集箱 

犬などの散歩から帰って来た時に、汚物を部屋に持って帰らず捨ててからマンションに入れるので、こちらも重宝されます。


 ③ペット専用ボタン付きエレベーター 

ペットをエレベーターに乗せるときペットボタンを押すと、各階のエレベーターにペット乗車の表示がなされるものです。ペットが苦手だったりアレルギーの方もいるかもしれませんし、ペット同士の喧嘩を防止することにもつながります。

 

4.まとめ

コロナ禍を経て、在宅という働き方が一般的になってきたことに伴い、ペットが飼える状況の方が増えました。ペットを捨てる人もいる一方で、ペットの飼育意識が高い人が増えているのではないかと想像できる中、ペットと快適に過ごせる住居を用意することで、選ばれる賃貸住宅を目指してみてはと思います。

 

 ■ハウスクリーニング・修繕費用の対策 

費用積み立て策として敷金を家賃1か月分増額する、家賃を何千円か割増しにするなど、修繕積立をする。

ハウスクリーニングが軽微に済むように、消臭壁紙や腰壁シート、リフォーム用床材などを使う。

 

 ■入居者間トラブルの対策 

マンション全体でルールを決めて同意書を取る。

居室に防音対策をする。


 ■共用設備の充実 

ペット用の足洗い場 / 汚物専用ごみ収集箱 / ペット専用ボタン付きエレベーター

 

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